命の大切さを学ぶ為~犬は飼えないけれどマンションで飼える生き物って?~
長女がある日「お母さん、犬を飼いたい」と言ってきた。
ついに来たか!と思いつつも内心ドキドキする母。
というのも、我が家はペット禁止マンション。
インコでさえ鳴き声がうるさいからと禁止されているくらいなのだから、犬なんて言語道断。
飼っていることが分かればつまみだされるに違いない。
でも、犬にかかわらず小さな命と生活することがとても素敵な思い出となることも知っているのだ。
私が小さい頃、実家は犬を飼っていた。
最初は野良犬として近所をウロウロしていた雑種犬。
戦前生まれの祖母は、「この犬は赤犬やから食べられる」と恐ろしいことを言ってはいたが、食べられることなく7年ほど一緒に生活した。
途中で実家に突っ込んできたトラックにやんわりと轢かれるなどかわいそうなこともあったが、最後は家族みんなでサヨナラをすることができた。
あまりにも悲しかった為、しばらくは犬はいらないと家族みんな思っていたけど、2年ほど経った頃再び犬が我が家にやってきた。
今回は血統書つきの柴犬・・・。
実家には似つかわしくない上等な犬だ。
まだ3ヶ月の赤ちゃんだったのだが、飼い主さんの体調不良により我が家へと里子に出されることになったのだ。
偶然にも二匹とも名前は「チロ」
最初の雑種ちゃんは姉がつけたのだが、2代目柴犬は最初の飼い主さんがつけていたのだから縁とは不思議なものだと思う。
そんな2代目チロちゃんは数週間よそのお家に預けられただけで痔になるという繊細な神経の持ち主だったが、何と15年の歳月を生き抜き、老衰で亡くなった。
ちょうど私たち姉妹が結婚する頃だったので、両親ももう生き物は飼わないと言って今は実家には犬はいない。
そんなこんなで月日はめぐり、子育て真っ最中の私。
命とは大切ではかなくて・・・ということを教える為に犬を飼うのも良い方法だと思いつつも住宅事情で諦めていた所の長女の発言。
早速、夫に相談してみた所、何やら考え込んでいたが「俺に任せろ!」と頼もしいお返事。
次の日、帰宅した夫の手には虫かごが・・・。
あのぅ・・・私昆虫大嫌いなんですけど・・・?
そういう私に「大丈夫気にするな!」と言い残して子どもを連れて出かけてしまった。
数時間後、大喜びで帰ってきた子どもたちの手には「カニ」
どうやら近所の田んぼで捕まえてきた様子。
夫曰く、犬じゃなくても命の大切さは学べる!とのことだが、捕まえるときに足を一本負傷させてしまった模様。
それって命大切に扱ってる?と疑問だらけの母なのだが、子どもたちは大満足の様子。
幼稚園のお友達に「今日、カニ見においでよ」と普段は自分から誘うことのない長女が珍しくお友達を家に誘っていたのだからびっくり。
夫は最初、オタマジャクシを捕まえて飼おうと思っていたらしい。
足が生えて、手が生えて、カエルになって・・・と成長が目に見えて分かるから良いと思ったそうなのだが、どうやらオタマジャクシはいなかったようだ。
ちょっと困っていた夫の目の前を縦断していったのが今我が家にいる「カニ」だったらしい。
ちょっと小ぶりのカニちゃん、子どもたちに「おカニ」と名前をつけられ、毎日米粒のご飯をもらって上機嫌で我が家に居座っている。
おカニの様子から命の尊さを学んでくれれば・・・と願う母なのでした。
しかし、夫の目の前を縦断するカニ、ちょっとどんくさくないかい?と疑問でならない。
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